皮膚病は、数ある病気の中でも、その病変を実際に目にすることのできる唯一の病気です。また、皮膚に現われてくるいろいろな症状は、皮膚自体の働きに障害が起こっている場合と、内臓の異常が影響して起こる場合があります。
接触皮膚炎症状:かゆみや痛みを伴って赤く腫れたり、ブツブツや水ぶくれができたりする。
原因:刺激の強い物質に触れて起こる場合や、特定の物質に対するアレルギー反応によって起こる場合などがある。
アトピー性症状:かゆみの強い湿疹が全身のあらゆる場所に起こる。年齢によって皮膚の状態や患部が変動する傾向がある。
原因:遺伝的など素因により乳幼児期に発症することが多く、不適切な薬の使用、ストレス、感染症などによって慢性化しやすい。
脂漏性湿疹症状:頭、顔、わきの下、股など皮脂の分泌の多い部分に、赤みのある湿疹ができ、皮膚がフケのように細かくむけてくる。
原因:皮脂の異常、真菌や細菌の増殖、ビタミンB2、B6の欠乏などが原因と考えられている。
おでき(フルンケル、カルブンケル)
症状:膿をもつ腫れができ、次第に大きくなると熱をもって痛みも強くなる。フルンケルの腫れは錐形だが、カルブンケルでは複数の毛穴がおかされて半球状に盛り上がる。
原因:フルンケルは毛穴から細菌が侵入して化膿が起こるおできで、顔にできたものは「面疔(めんちょう)」という。カルブンケルはフルンケルより深部に感染して起こる。
にきび症状:思春期以降に顔や胸、背中の中心部などの毛穴の部分に化膿や炎症が起こる。
原因:皮脂の分泌過剰に、ビタミン代謝異常、自立神経の失調、胃腸、細菌感染が影響して起こる。
いぼ(尋常性ゆうぜい)
症状:粟粒からえんどう豆大の丘疹(皮膚面から半球状に盛り上がった発疹)ができる。通常、かゆみや痛みなどの症状は伴わない。
原因:皮膚の傷口からヒト乳頭腫ウイルス感染することで起こる場合が多い。
みずむし(足白癬)
症状:足指の間の皮膚が白くなり、皮膚がむけてじくじくする趾間型、足の裏や指の付け根に小さな水泡ができ、破れるとかゆみが出てくる小水疱型、足の裏全体の角質が厚くなり、粉が吹いたように皮がむける角質増殖型がある。
原因:足白癬というかびの一種が皮膚の角質層に寄生することで起こる。高温多湿や足に傷口があるなどの条件により、感染しやすくなる。